■6月 梅雨の時期も清々しく
雨に濡れる紫陽花はみずみずしく美しく、見る者を楽しませてくれますが、雨の日が続くと部屋の中も気持ちも湿りがちになりますよね。
そんなちょっと憂鬱な時期を、ちょっと風雅に楽しく工夫して、元気に乗り切りませんか。
〇冷茶
5月の手しごとのページで、新茶の煎れ方をご紹介しましたが、今月は氷で作る冷茶をご紹介します。
甘さと旨味が下に広がって、とても爽やかでおいしい新しい感覚のお茶です。
ぜひ、新しいお茶のおいしさと出会っていただき、リフレッシュしていただきたいと思います。。
〈材料〉
茶葉 いつもより多めの量
氷 急須に溢れるくらいの量
〈必要な道具〉
急須
小さな煎茶茶碗 なければお猪口でも
〈作り方〉
①急須にいつもより多めの茶葉を入れます。
②❶に氷を溢れるくらい入れます。
③そのまま放置して、30分から1時間待ちます。
急須は結露しますので、水濡れにご注意ください。
④煎茶茶碗に、❸を注ぎます。
濃いお茶なので、いの弱い方は、氷や水で薄めてお楽しみください。
⑤急須に氷を足して、2煎目、3煎目もお楽しみください。
*お湯の温度を調節するなどの手間もなく楽しめるので、気軽にお試しいただきたいと思います。
COCON店主は、朝一番で冷茶を作り、食後や始業時、そして、ランチに楽しんでいます。
●びわ酒
傷みやすく高級なびわは、その色も形も美しく、食べるだけではもったいない!と思い調べてみると、「びわ酒」にすると、果樹酒の中でもトップクラスのおいしさであることを知り、早速実行してました。
たくさんいただいたり、お庭でとれたびわの活用法としてもお試しいただきたいと思います。
〇びわ酒 下準備
①びわをきれいに洗って、ペーパータオルで水気を拭きとり、保存袋に入れて1晩冷凍させておきます。
②密閉瓶を熱湯消毒し、更に、ホワイトリカーで消毒します。
〈材料〉
びわ (1パック) 300ℊ
氷砂糖 100ℊ
ホワイトリカー 600㎖
お好みで レモン 1個分
〈作り方〉
①消毒した密閉瓶に氷砂糖と、冷凍したびわを静かに入れます。
(COCONでは、国産レモン1個もスライスして加えました。)
②ホワイトリカーを注ぎます。
③冷暗所で2か月ほど保存したら実を取り出し、さらに1か月ほど熟成させて完成させます。
氷を加えて、水や炭酸で割って、お楽しみください。
※取り出したびわの実は、砂糖やはちみつを加えてジャムにご活用ください。
●実山椒しごと
山椒の実は、出回り時期が短いので、アンテナを張っておかないと買い逃がしてしまう可能性がありますので、頑張って入手してくださいね。
爽やかな香り、小さいのに存在感のあるしびれるような辛さ、そして、愛らしい形は、頑張って入手し、時間を掛けて下ごしらえする価値はある!と思います。
今年は、さらに、季節も作物の出来も前倒しの感がありますので、お早めに入手されることをおすすめします。
〇実山椒の下ごしらえ
〈材料〉
実山椒 適量
*実山椒を購入される場合は、なるべく上質なモノを買い求められることをおすすめします。
参考までに、写真の実山椒は百貨店の野菜売り場で購入した、1パック分の量です。
〈作り方〉
①実山椒を洗って、枝から丁寧にもいでいきます。
*アクがあるので、爪が黒くなりますので、ご注意くださいね。
*実の根元を爪で押さえて引っ張ると、もぎやすいように思います。
*写真の量をもぎ終わるのに、20分かかってしまいました。
根気強く、気長に取り組んでくださいね。
②もいだ実山椒を、茹でます。
茹で時間は、お好みで...です。
いろいろな方のレシピを見ると、1~2分の方もいらっしゃいますし、指でつぶれるくらいという方もいらっしゃいました。
COCONでは、指で潰して簡単に潰れるく軟らかく茹でました。
時間は、10分強かかりました。
③茹でた実山椒を、水を張ったボウルに入れて、晒します。
30分~1時間に1度、水を替えて、晒します。
お好みの辛さになるまで、味見をして晒し時間を調整してください。
COCONでは、3時間晒しました。
(1晩を推奨している方もいらっしゃいました。)
丁度いい辛さになったら、水から上げて、水気をしっかり拭き取って、小分けにしてラップをしてから保存袋に入れて空気を抜いて冷凍します。
1年くらい、保存できます。
●実山椒の活用法●
〇ちりめん山椒
炊き立てのご飯にかければ食が進み、麺類や豆腐、サラダのトッピングにも使える便利なふりかけです。
いろいろな作り方があるのですが、COCONでは、このレシピで作っています。
<材料>
ちりめんじゃこ(身の小さいモノ) 100g
冷凍の実山椒 大2(お好みで調整してください)
酒 100ml
みりん 大2
しょう油 大1 + 仕上げに 大1/2
<作り方>
①鍋にお湯を沸かし、ちりめんじゃこを30秒ほど茹でて、ざるに上げて水気を切ります。
②仕上げに加える分以外の調味料を小鍋に入れて加熱し、沸騰したら❶のを入れます。
③❷を焦げ付かないようにへらでかき混ぜながら、煮汁が半分くらいになるまで弱火で煮詰め、しょう油大1/2と実山椒を加えて混ぜ、さらに煮詰め、煮汁がほぼなくなったら完成です。
清潔な保存瓶や保存袋に入れて、冷蔵庫で5日間、冷凍で1か月程度保存できます。
〇実山椒入り餡かけ豆腐
冷奴や温めた豆腐に、実山椒を加えた爽やかな餡をかけた、シンプルですが小粋な餡かけ豆腐です。
<材料>
豆腐(COCONでは、汲み上げ豆腐を使用) 1丁
実山椒 適量
だし 100ml
酒 大1
みりん 小1
しょう油 大1/2
塩 少々
片栗粉 大1
水 大2
<作り方>
①豆腐を(温かかくする場合はレンジで加熱して)うつわに盛ります。
②だしと調味料を、小鍋に入れて加熱します。
③片栗粉を2倍の水で溶いて、水溶き片栗粉を作ります。
*2倍の水で溶くと、失敗せずに餡を作れます。
④❷が沸騰したら、実山椒を加え、❸をかき混ぜてから、鍋に加え、よ~くかき混ぜます。
混ぜが足りないと、分離しやすくなるそうです。
⑤❶に❹を美しくかけてできあがりです。
江戸時代でも、人気のメニューだったようです。
〇蒸し鶏の汁で山椒ソース
鶏の胸肉を蒸し焼きにした際の煮汁に、酒少々とみりんとしょう油を加えて煮詰め、最後に実山椒を加えて作ります。
〇実山椒入り卵焼き
いつもの卵焼きに、実山椒を加えて、いつも通りに焼いて作ります。
実山椒の量は、お好みで。
甘い卵焼きより、京風のしょっぱい卵焼きの方が合うのかな?と思います。
〇江戸時代気分を楽しみながら、みょうが寿司
時代小説を用んでいると、酢漬けのみょうがで「みょうが寿司」を作るというシーンが登場します。
いつか作ってみたい!と思っておりましたが、今回、トライしてみました。
みょうがが出回る時期に、色鮮やかな「みょうが寿司」、いかがでしょうか。
〈材料〉
酢飯:かために炊いたご飯 1合分
米酢 大1と1/2
砂糖 大1と1/2
塩 小さじ1/4
みょうが 3本
A:米酢 30ml
:砂糖 大1
:塩 少々
〈作り方〉
①1~2日前に、みょうがの酢漬けを作ります。
みょうがは洗って、30秒ほど熱湯で茹でます。
②Aの調味量を耐熱容器に入れて、600wで40秒ほど加熱し、混ぜて融かし、ファスナー付きの保存袋に入れておきます。
③水気を取った❶を熱いうちに加えて、空気を抜いて閉じます。
④かために炊いたご飯に、酢飯用の調味料を加え、さっくりと混ぜます。
COCONでは、白ごまと酢漬けにしたみじん切りのしょうがを混ぜ込みました。
⑤❹を一口大に細長く握っておきます。
⑥❸のみょうがの酢漬けの外側の葉をはがして、❺にきれいに被せて、形を整えて仕上げます。
内側の葉は、刻んでご飯に混ぜ込んだり、食べやすい大きさに切ってピクルスとして召し上がってください。
〇父の日におすすめ 黒豆ごはん
「黒豆」は、正式名称「黒大豆」だそうです。
皮の色が黒色の大豆のことで、おせち料理の黒豆に使われるのが一般的ですが、今回はご飯に炊き込んで栄養を丸ごといただきたいと思います。
黒豆には、
・血管を丈夫にする
・がん予防
・内臓脂肪をつきにくくする
・老化を遅らせる
・疲れ目の予防
・血液をサラサラにする
・脳の老化を予防
・抜け毛を減らし、白髪が増えるのを抑える
・血糖値を下げ、糖尿病を予防
・高血圧の予防
そして、特に、女性に嬉しい
・貧血の予防
・美肌効果
・骨粗しょう症の予防
・便秘の改善
などの効果が期待できるそうですので、ぜひ、ご家族皆さんで召し上がってより健やかな毎日を送っていただきたいと思います。
作り方は、急いで作る方法(と言っても黒豆を戻すのに1時間強かかってしまいますが)と、1晩浸ける方法をご紹介します。
〈材料〉
お米 1.5合
黒豆 0.5合
水 いつもの水加減より少し多め
酒 大1
塩 小1/2
顆粒だし 小1/2
お好みで黒ゴマ 適量
〈作り方 急いで作る方法〉
①黒豆を洗って、保温ジャーに入れて、熱湯を注ぎます。
約1時間おいて黒豆を戻します。
②米を研いで、炊飯釜に移し、水加減して、冷蔵庫で給水させます。
③1時間経過したら、❶をざるに上げ、❷に加え入れ、調味料を加えて混ぜてからいつも通りに炊きます。
戻し汁は取りおいて、みそ汁やスープに使います。
*戻し汁には、栄養がたくさん入っていますので、上手に活用してください。
COCONでは、みそ汁に加えましたが、いつものみそ汁が滋味あふれる深い味になり、おいしくいただきました。
④炊きあがったら10分ほど蒸らして、出来上がりです。
黒豆をつぶさないように、皮にキズを付けないようやさしく混ぜて、ご飯茶碗に盛ります。
〈作り方 1晩浸けおく方法〉
①黒豆を洗って水気を切り、フライパンで焦がさないように弱火で10分ほど煎り、煎れたらそのまま冷ましておきます。
②お米を研いで、炊飯釜に移し、いつも通りの水加減をします。
③❷に冷めた❶を加えて、冷蔵庫に入れて1晩おきます。
④翌日、❸に調味料を入れ、混ぜてからいつも通りに炊きます。
⑤炊きあがったら10分ほど蒸らして、出来上がりです。
黒豆をつぶさないように、皮にキズを付けないようやさしく混ぜて、ご飯茶碗に盛ります。
作り方で、ご飯の色の濃淡が変わります。
召し上がるタイミングによって、作り方を選んで、ぜひ、お試しださい。
〇6月の和菓子、水無月を作っていませんか。
京都発祥の水無月、最近は東京でも見かけるようになりました。
三角形は氷のかけらを表現していて夏バテ予防の願いが込められています。
そして、赤い小豆は赤い色が魔を祓うと信じられていたことから、魔除けの意味があるそうです。
意外にカンタンに作れる水無月を、作って食べて、暑気払いしませんか。
●伝統的な水無月
〈材料〉
くず粉 25g
白玉粉 30g
薄力粉 35g
砂糖 50g
水 160ml
甘納豆 150g
〈作り方〉
①ボウルに粉類と砂糖を加え、粒をつぶしながら分量の水を3回くらいに分けて加え、へらで混ぜながらとかします。
②❶をざるでこし、大さじ2を小さなうつわに取り置きます。
③❷を水で濡らした流しカン(型)に入れ、沸騰している蒸し器に入れて、布巾をかけてから蓋をし、強火で10分蒸します。
④火を止めて、蒸し器の水が十分残っていることを確認し(ない場合は足してください)、表面に甘納豆を重ならないように散らし、残しておいた生地をかけ回し、強火で15分に蒸します。
⑤蒸し上がったら、粗熱をとって冷蔵庫で冷やし、型から外して三角形に切り分けて供します。
●甘みの少ない水無月
伝統的な水無月は、甘さが強いので、少しヘルシーにアレンジしました。
材料の分量が少し変わるだけですが、ご紹介します。
<材料〉
くず粉 25g
白玉粉 30g
薄力粉 35g
砂糖 30g
水 160ml
蒸し小豆 120g
栗の甘露煮 3粒くらい
作り方〉
①ボウルに粉類と砂糖を加え、粒をつぶしながら水を3回くらいに分けて加え、へらで混ぜながらとかします。
②❶をざるで濃し、大さじ2を小さなうつわに取り置きます。
③❷を水で濡らした流しカン(型)に入れ、沸騰している蒸し器に入れて、布巾をかけてから蓋をして、強火で10分蒸します。
④火を止めて、蒸し器の水が十分残っていることを確認し(ない場合は足してください)、表面に蒸し小豆と小さく刻んだ栗の甘露煮を重ならないように散らし、残しておいた生地を回しかけ、強火で15分さらに蒸します。
⑤蒸し上がったら、粗熱をとって冷蔵庫で冷やし、型から外して三角形に切り分けて供します。
お好みで、生クリームなどを添えて。
〇梅しごと
毎年、この時期に、梅の実を加工するのを楽しみにしていらっしゃる方も多いと思います。
砂糖や焼酎に漬けた梅が、日々変化していくのを見ているのも楽しいですよね。
以前、COCONでは、和歌山から南高梅を取り寄せて、梅干しのワークショップを実施したこともありますが、ここでは、ちょっと変わった梅しごともご紹介したいと思います。
●梅の下処理
梅を加工する前に下処理をします。
①梅の実の選別をします。
割れてしまったモノや、傷んでいるモノを取り分けます。
②大き目のボウルに水を張り、1~2時間梅を水に浸けてアク抜きをします。
③❷の梅を、やさしく洗います。
④梅をざるに上げて、ペーパータオルで水気をていねいに拭き取ります。
⑤梅のなり口のヘタを、竹串で取ります。取りにくいモノは無理せず、諦めましょう。
竹串で、実に数か所穴をあけます。
⑥梅をファスナー付きの保存袋に入れ、24時間冷凍します。
*傷んでしまった梅は、15分くらい茹でてから氷水に入れて冷まし、ざるに上げて水気を取ってから種を抜いてたものを鍋に入れて、砂糖を加えてアクを取りながら煮てジャムにします。
●梅のみそ漬け
〈材料〉
下処理し冷凍した梅 300g
みそ 300g
きび糖 150g
〈作り方〉
①みそときび糖をよく混ぜておきます。
②消毒した保存容器に冷凍梅を並べて、その上に❶のみそを塗ります。
③1か月くらい漬けたら完成です。
*冷蔵庫で半年くらい保存できます。
*梅は梅干しとして、みそは魚を煮たり、田楽みそとして使用したり、野菜を漬けたりといろいろお使いいただけます。
●梅しょう油
ヘルシーでおいしい梅しょう油は、カンタンで1番のおすすめです。
〈材料〉
下処理した冷凍梅 3つ
しょう油 適量
かつお節 5g
昆布 10cm
〈作り方〉
①消毒したビンに、材料を入れます。
②❶にしょう油を注ぎ入れます。
③冷蔵庫で保存し、1週間くらいでおいしい梅しょう油は完成します。
④梅のしょう油漬けは、1~2か月くらいでおいしく完成します。
*しょう油は、漬けしょう油・かけしょう油としておつかいください。
●梅のシロップ
夏を元気に乗り切るためには、梅のクエン酸パワーを上手に活用したいですよね。
青梅でも、完熟梅でもおいしくできます。
〈材料〉
下処理した梅 800g(作りやすい分量で)
氷砂糖 800g
〈作り方〉
①消毒した保存ビンに、氷砂糖と下処理した冷凍梅とを交互に入れていきます。
②蓋をして、冷暗所で保存し、時々ビンを揺すって混ぜます。
③氷砂糖が溶けたらできあがりです。
炭酸や水で割ったり、かき氷にかけたりしてお楽しみください。
●梅シロップ その後
昨年作った梅シロップの梅の実を、冷蔵庫で大切に保存していました。
色は黒っぽくなってしまいましたが、香りも良く、甘みと酸味が程よく、なかなかのおいしさです。
ぜひ、梅のシロップにトライなさって、1年中梅をお楽しみください。
〇梅干しをリメイク
黄色く色付いた梅の実を見つけると、ついつい買い求め、梅干を作ってしまいます。
でも、手作りの梅干は、少し塩辛くて酸っぱくいので、煮物や梅干ご飯に使うくらいで、少しずつ梅干し貯金がふえてしまっています。
そんな自家製の梅干を、リメイクする方法はないものかと調べてみると、塩抜きをして、甘く煮るという方法を見つけましたので、ご紹介します。
よろしかったら、お試しください。
●梅干しのリメイク
〈材料〉
梅干 300g
みりん 200ml
砂糖 150g
〈作り方〉
①梅干を、3~4日水に浸けて、朝と晩に水をかけながら、塩出しをします。
②味見をして塩味の具合を確認し、抜けているようなら、鍋に移してみりんと砂糖を加えオーブンペーパーなどで落し蓋をして、弱火で20分ほど煮て味を含ませて出来上がりです。
●梅干しのリメイクⅡ
梅干のリメイクを試みましたが、甘く煮直してから数日が経過すると、シワが寄り堅くなってしまいました。
そして、煮汁(みつ)の下部に飴状のモノが溜まっていました。
(飴は、カンロ飴のような味で、おいしいです。)
うまく糖分を煮含められなかったようですので、再度、みりんと水と黒糖を適量加えて煮ることにしました。
皮が破れてしまった実が少なくありませんでしたので、種を抜いてフードカッターでピューレにしました。
ほのかな塩味と酸味で上品な甘さに仕上がり、ヨーグルトのソースやジャムとしても使えそうです。
ちょっと時間は掛かりますが、持て余し気味の梅干しに、お試しくださいませ。