●4月 桜の塩漬け
4月は、進入学や就職、お引越しなど新生活がスタートする時期ですね。また、寒暖差が激しく、新しい環境に慣れず、不安な気持ちを抱えて体調不良になりがちな時期でもあります。そんな時には、目にも美しい塩漬けの桜を使った「桜茶」や冷えて疲れたからだに「桜粥」はいかがでしょうか。桜が開花するこの季節には、スーパーやお茶屋さんでも販売されていて手に入れやすい桜の塩漬けを、ぜひ、ストックしてください。
■桜茶
【材料】
・桜の塩漬け 1人に2輪
・お湯 適量
【作り方】
①桜の塩漬けの塩を振り落とし、5〜10分水に漬けて塩抜きをします。
②湯飲み茶碗などに塩抜きした桜を入れ、お湯を注ぎます。
■桜粥 2人分
【材料】
・お米 1/2合
・水 600〜900cc
・桜の塩漬け 4輪
【作り方】
①お米をボールなどに入れ、量が少ないため指先でつまむように研ぎ、数回水を加えてすすぎ、新しい水に30分から1時間浸けて、お米に吸水させます。
②水に浸けたお米がすべて白くなったら吸水完了。炊飯器ならお粥モードで、お鍋なら吹きこぼれ予防のために少し大きめ(深め)の鍋や土鍋で、弱火でじっくり20〜30分かけて炊きましょう。
③桜の塩漬けは、塩を振り落とし、5分ほど水に浸けて塩抜きしておきます。
④炊きあがったらうつわに盛り付け、塩抜きした桜の塩漬けの水気を絞り、お粥の上にかわいく飾って供します。
以前、八重桜の塩漬けを作るワークショップを行い好評でしたが、2020年は実施できませんでした。2021年も難しそうですが、ぜひ、八重桜の塩漬けのワークショップを開催し、美しくておいしい桜の塩漬けを作りたいですね。
〇押し寿司でお祝い
お祝いごとの多い新年度。
簡単で見栄えのする押し寿司で、お祝いなさってはいかがでしょうか。
お重に入れれば、手土産にもなりそうです。
《押し寿司の型について》
「押し型」・「押し枠」・「押し器」などと呼ばれる木製の木枠が必要です。
(保存容器で作る方法もあるようですが...)
COCONでは、外寸18cm×10cm、高さ4cmという小ぶりなものを使っています。
《準備》
・押し型を酢を加えた水にしばらく浸しておきます。
(木枠に酢飯が付くのを防ぎ、お寿司の持ちも良くしてくれます。)
・少なめの水加減で炊いたご飯1.5合に、米酢大さじ2、砂糖大さじ2、塩小さじ1を混ぜた酢を加えて切るように混ぜて、酢飯を作ります。
・お好みの具材を用意します
今回は、昆布締めにした真鯛と、小エビを用意しました。
〇たけのこを愉しむ
春といえばたけのこ!です。
たけのこは、調理するのが面倒なイメージがありますが、時間は要しますが難しくはありません。
おうち時間が長いこの時期に、ぜひ、たけのこを茹でて、たけのこ料理に挑戦なさってください。
■たけのこを茹でる
【材料】 たけのこ
米ぬか ひと握り
(なければ米のとぎ汁)
鷹の爪 1本
【茹で方】
①たけのこをたわしなどで洗い汚れを落とし、外側の皮を1~2枚剥きます。
②たけのこの穂先を斜めに切り落とし、火の通りをよくするために縦に切り目を入れます。
(皮が硬いのでケガをしないように注意しながら、たけのこの身を切らないように浅めに切り目を入れたください。)
③大きな鍋にたけのこを入れ、たけのこがかぶるくらい水、または米のとぎ汁を注ぎ、水の場合は米ぬかを加え、(米のとぎ汁の場合も)鷹の爪を加えて火を点けます。
吹きこぼれに注意しながら1時間ほど茹で、竹串でたけのこのまん中あたりを刺してみて、すっと串が通れば茹で上がりです。
串が通らなければ、更に茹でてください。
④茹で終わったたけのこは、そのまま鍋に入れた状態で蓋をして翌日まで置いて冷まします。
⑤翌日、鍋からたけのこを取り出し、丁寧に皮を剥いて、米ぬかなどを水で洗い流します。
⑥すぐに使わない場合は、保存容器に入れ、ひたひたの水を加えて冷蔵庫で保存します。
(2~3日は保存できるようですが、なるべく早く使い切りましょう。)
*茹でたたけのこについている白い粉は、チロシンという名前のアミノ酸だそうです。
成長促進・代謝アップ・老化防止などの効果が期待できるそうです。
また、チロシンが多いたけのこはおいしいそうでるから、水煮を購入する際はチロシンがたくさ付いているものを選ぶと良いと思います。
《おいしいたけのこの見わけ方》
・穂先が黄色
・切り口が白くてみずみずしい
・太くて短い
・皮につやがある
・根元の赤い粒々が小さくて少ないモノほどやわらかい
《たけのこの部位のおすすめ調理法》
穂先:風味がよく柔らかいのが特徴 若竹煮や若竹汁(わかめとたけのこ)
中央部:適度な硬さがありますので、焼き物や揚げ物におすすめ 揚げるとえぐみが和らぎます。
根本:硬いですが甘みがありますので、食べやすく賽の目や千切りにしてご飯に炊き込んだり、COCONではシュウマイに入れました。
〇山椒のこと
たけのこの添え物は、山椒です。
山椒の葉は、購入したら水洗いし、湿らせたペーパータオルに置いて、ラップをかけて保存しましょう。
たくさんある場合は、刻んで田楽みそに加えたり、レンジで乾燥させると長く保存できます。
山椒を使う場合は、手のひらに置いてパンと叩いてから使うと香り高くなります。(ちょっとプロっぽいですし。)
○五平もちを作ってみませんか。
4月17日は五平もち記念日だそうです。
長野県の南に下伊那という地域があり、江戸時代から地域の人々に愛されている「五平もち」という特産品があります。
「五平もち」の名前の由来は、神道に使われる「御幣」という道具に似ていたからという説と、五平さん、または、五兵衛さんという人が、ご飯をつぶしてみそを付け焼いたものを食べたことが始まりという説もあるようです。
そして、4月17日に制定された理由ですが、発祥の地、下伊奈(しもいな)の語呂合わせで4・1・7となることからだそうです。
さて、なぜ、五平もち記念日にこだわるのかと言うと、五平もちがおいしいからです。
初めて五平もちを食べたのは、今から30数年前の岐阜県の馬籠か飛騨高山だったと思いますが、想像していた味より甘くなく、おやつというより主食に近い印象で、たくさん食べたくなってしまう味でした。
いつか作ってみたいと思っていましたが、この度、五平もち記念日に合わせてあれこれ調べて作ってみましたので、レシピをご紹介します。
ぜひ、お試しください。
〈材料〉 2人分
ご飯 1.5合
クルミ 30g
ごま 大2
みそ 大2
砂糖 大3
しょう油 大1
酒 大2
みりん 大1
トッピング くるみ・ごま・木の芽・梅干し・うどの皮のきんぴらなど
〈作り方〉
①いつもより少し多めに水を入れてご飯を炊きます。
②クルミをレンジやオーブン、フライパンなどでカリっと炒ります。
③すり鉢とすりこぎを用意し、先に、ゴマをすり、クルミを20gくらい加えてすります。
残しておいたクルミを加え、粒を残してすります。
④❸を鍋(写真はフライパンですが)に移し、調味料の全てを加えてへらで混ぜながら加熱し、少し煮詰めます。
照りが出たら完成です。
⑤ご飯が炊きあがったら熱い内に水で濡らしたさらしを敷いたボウルに移し、すりこぎで搗いて半分お餅、半分ご飯粒という状態を目指します。
この状態を半殺し(!)と呼ぶそうですが、この状態になるまで時間を要します。
さらしで底にあるご飯をひっくり返して全体が半殺しの状態になるようにしてください。
⑥❺を、手に水を付けながらまるめていきます。
今回は、割りばしなどを使わず、シンプルに丸めました。
丸めたものを、オーブントースターやグリルで両面2~3分焼いておきます。
⑦❻に❹のみそを塗り、再度、表面をこんがり焼いで完成させます。
COCONでは、みそを塗ったあとに、クルミや木の芽などをトッピングして焼きました。
みそは焦げやすいので、加熱時間にご注意ください。2~3分加熱して、足りなければ1分ずつ加熱時間を加えてください。
*クルミみその材料の分量は、お好みで調整してください。
みそに火を入れないレシピや、みその濃度もそれぞれの様です。
お好みで、どうぞ。
〇ふき料理に挑戦してみませんか。
忘れてならない春の味覚に「ふき」があります。
シャキシャキとした歯触りが楽しく、独特の香りが強く、また、アクが強くが強いので、好みが分かれるのかもしれませんが、春にはなくてはならない食材です。
ぜひ、調理法など覚えて、ふき料理に挑戦していただきたいと思います。
ふきを簡単に調理する方法を、作り方の最後に追加しました。
こちらの方法を、おすすめします。
■ふきの煮びたし
〈材料〉 ふき 1束
だし汁 300ml(ふきがひたひたになる量)
薄口しょう油 小1
塩 小1/3
日本酒 大2
みりん 大1
かつお節 適量
板ずり用塩 適量
〈作り方〉
①ふきを、葉と茎に切り分けて、茎を洗います。
②茎の水気を拭き、まな板の上にのせて、塩をまぶし、両方の手のひらで転がすようにしてまな板にこすりつけます。(板ずり)
この時、ビニール手袋をすると、爪や手が汚れません。
しっかりと、根元から先端まで手をずらし、ふきを転がして板ずりしましょう。
全体を板ずりしたら、茹でる鍋に入る長さに切ります。
*板ずりすることで、色よく、皮を剥きやすくします。
④大きな鍋やフライパン(中華鍋)にお湯を沸かし、沸騰したら❸の太い方のふきを入れて30秒、次に、細い方を加えて1分ほど茹でます。
⑤❹を冷水に取って、ふきの皮を剥きます。
皮の剥き方は、爪でふきの端の皮を1周5cmほど剥がし、それを引っ張って下まで剥き、逆に下からも同様に剥いて、剥き残しのないように剥きます。
そして、ふきを5cmの長さに揃えて切っておきます。
⑥鍋に調味料を全て加え、❺のふきを入れて火を点け、沸騰したら3分ほど強火で加熱し最後にかつお節を加えて火を止めます。
そのまま、冷めるまで置いて味を含ませます。
⑦味がしみたら、うつわにこんもりと盛り付けかつお節を振りかけます。
ふきの火の通り具合は、お好みで。私は、パリパリが好きなので、あまり火を通しません。
*ふきの煮びたしは、あまり加熱していませんので、日持ちがしません。
たくさん残っている場合は、煮汁ごと鍋に移し、しょう油・砂糖・日本酒・みりんを大さじ1くらい加えて、5分ほど加熱して煮返してください。
(調味料は、お好みで加減してください。)
ふきの色が濃くなり、味もしみて、また、違ったおいしさを楽しめると思います。
※オーソドックスなアク抜きの方法をご紹介しましたが、先に、鍋に入る長さに切ったふきを30秒から1分ほど茹で、すぐに氷水で冷やしてから皮を剥くと、指が黒くならず簡単に調理することができますので、この方法をおすすめします。
■ふきの葉のふりかけ
〈材料〉 ふきの葉 1束分
しょう油 小1
砂糖 小1
日本酒 大1
みりん 小1
かつお節 ひとつまみ
ごま 適量
〈作り方〉
①ふきの葉をよく洗います。裏側も、丁寧に洗います。
②大き目の鍋にお湯を沸かし、2~3枚ずつ入れて、裏表それぞれ1分ほど茹でます。
③大きいボウルに水を入れ、❷を入れてアクを抜きます。
④アクを抜く時間は、お好みで。(アクが強い場合は、1晩浸けおきます。)
⑤❹の水気を切って、まな板の上に移し、包丁で細かく刻みます。
⑥❺の水気を両手で絞り、加熱して油を敷いたフライパンで炒めます。
⑦日本酒・みりん・砂糖を加え、水気がなくなるまで炒め、最後にしょう油を加え、さらに、かつお節とごまを加えて炒り、味を調えます。
⑧❼を熱々のご飯にのせたり、おにぎりに混ぜ込んだりしていただきます。
*しょう油の代わりに、みそと砂糖を加えて炒り、ふきみそにする方法もあります。