うつわについて

磁器と陶器のちがいや、和食器の取り扱い方についてなど、便利なミニ知識をご紹介します。


磁器と陶器のちがい

「磁器」は、原料が陶石(石の一種)で、素地(そじ)が白く、無色透明か青色の釉薬をかけることが多く、透光性があります。

 

1200〜1400度の高温で焼くため、焼き締まって吸水性がなくなり、はじくとキーンと高い金属的な音がする最も硬い焼き物になります。

また、薄くて軽くて丈夫で重ねやすく、使う人を選ばない利便性が高い点も特徴です。

 

一方、「陶器」は、原料が陶土という粘土で、素地には茶色・褐色などの色があり、風合いのある柔らかな印象の仕上がりが特徴です。

1000〜1300度と磁器より低い温度で焼き上げます。

 

釉薬の種類が多く、また、釉薬をかけない焼締(やきしめ)などもあり、様々な趣きの焼き物があります。指ではじくとゴンと鈍い音がします。吸水性があるので、取り扱いには注意が必要です。



「磁器」と「陶器」の見分け方

うつわを裏返して、高台部分を見ます。

 

左が磁器、右が陶器ですが、陶器は原料の土の色が見えています。磁器は、釉薬がかかっていない糸底(糸尻)部分も白です。



和食器の取り扱い方

購入した食器の糸底がざらついていた場合、テーブルや折敷を傷つける原因になりますので、目の細かいサンドペーパーでこすって滑らかにします。

 

陶器の目止めの方法

陶器は粒子が粗く、目に見えない小さな穴が無数に空いているので、吸水性があり、シミやにおいが付きやすいので、使う前に穴をふさぐ「目止め」の作業をしておきましょう。

  1. 購入したうつわをざっと洗う。
  2. 鍋に布巾やペーパータオルを敷き、うつわを入れて、うつわがかぶるくらい米のとぎ汁(なければお米ひとつまみ)を加えて、弱火で15分程度煮る。
  3. 鍋が冷めるまでそのまま放置し、冷めたらうつわを取り出し、スポンジなどで洗ってから十分に乾燥させる。「目止め」が面倒な方は、うつわを使う度、水にくぐらせてから使用すると、完全ではありませんが、シミやにおいの付着予防になります。

 

うつわは、使用したらなるべく早く洗うようにしましょう。

そして、表面だけでなく、裏側の底や高台の部分もしっかり洗い、十分に乾燥させてからしまうようにしてください。

 

金や銀、繊細な絵付けが施されているうつわは、注意書きを読んでから使用してください。

 

COCONの取り扱い商品は、磁器が多く、ほとんどの白磁や染付のうつわに食器洗浄機をお使いいただけますが、釉薬の美しさを保つためには、手洗いをおすすめします。

 


土鍋を使い始める前に

お気に入りの土鍋を長く使うために、使い始めに「目止め」をしましょう。

 

①土鍋を水洗いして、水分を乾かします。

(COCONで取り扱っている信楽焼の土鍋は、水気をさっと拭うだけで大丈夫ですが、一般的な土鍋は水分が残っているとひび割れの原因になります。)

 

②土鍋に、米のとぎ汁を鍋の八分目まで加えて弱火にかけます。

(COCONで取り扱っている土鍋は、中火でも大丈夫です。)

 

③沸騰したら15分そのままの状態で加熱します。

 

④米のとぎ汁が冷めるまで放置します。

 

⑤スポンジなどでやさしく洗い、水気をしっかりと乾燥させてからしまいます。

 

*お米のとぎ汁の代わりに、お米や炊いたご飯、片栗粉を入れる方法もあります。

 

*土鍋にひびが入ってしまったら、お粥を炊くとひび割れを修復できます。

 


うつわが壊れてしまったら?

壊れてしまった陶磁器などを、漆を使って修復する「金継ぎ」という方法で修復することができます。

 

〇金継ぎとは

欠けたり割れたりした陶磁器・漆器などを、耐久性(酸にもアルカリにも強い)や耐水性のある漆を使って破損部分を接着して修復し、最後に金や銀などを施して仕上げる日本の伝統技法です。

金繕い(つくろい)とも呼ぶそうです。

 

〇金継ぎの歴史

金継ぎは、「茶の湯」が盛んになった室町時代に、富や権力の象徴であった超高価な茶道具の修復のために始まったと言われています。

当時の「茶の湯」、そして、金継ぎも、大名や豪族・豪商など、社会的地位の高いごく限られた男性の愛好する文化だったようです。

 

*うつわの割れ方や欠け方によって修繕方法は異なりますし、漆は湿度を保ちながら乾かさなければならないため、専門店などへお問合せされることをおすすめします。